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8月20日松下幸之助一日一話(松下幸之助.COM) 心を通わす 一人ひとりの努力が、部下の人にもまた上長の人にも知られるということは、何にもまして心嬉しいことだと思います。一つの成果をお互いに味わって、ともに喜び合うことができるということは、私は尊い姿だと思うのです。 一つの会社の中でも、北海道にいる人の苦労が九州にいる人に伝わる。九州にいる人の苦労が北海道の人に伝わり、打てば響くような形において、全員が結ばれていくというように、お互いに心と心を通わしているような状態になっていなければならない。そうなれば願い通りの好ましい成果が上がり、社会のためにも大衆のためにもなる働きができるであろうと思うのです。 筆洗 2013年8月19日筆洗(東京新聞) ▼さすがは、デスバレー(死の谷)と呼ばれるだけのことはある。米西海岸にある谷こそは、地上で最も暑い場所。一九一三年の七月にこの地で記録された五六・七度が、世界気象機関(WMO)が公式に認める観測史上の世界最高気温だ ▼デスバレーの観測記録を読めば、寒けすら覚える。一九一七年には四八・九度を超える日が四十三日も続いた。七二年には地表温度が九三・九度という記録もあるから、まさに死の谷だ ▼デスバレーは極端にしても、人類はこれまで経験したことのないような異常気象に直面しているらしい。WMOによると、二〇〇一~一〇年の地球表面の平均気温は観測史上最高となった ▼異常気象のため、それ以前の十年間に比べ二割も多い三十七万人以上が死亡した。うち十三万人余は、欧州などを襲った熱波の犠牲者。インド洋のサイクロンの死者が十年で十七万人というから、熱波は熱帯性低気圧並みに凶暴だ ▼『人間はどこまで耐えられるのか』(河出文庫)によると、二十世紀前半まで「日射病」は、太陽光線に含まれる危険な化学線が頭蓋骨に浸透して脳に達し、卒中を起こすものと考えられていた。だから日よけのヘルメットが流行したという ▼何とも滑稽かつ大仰な防御策ではあるが、ここは先人の心掛けにならい、心にヘルメットを被(かぶ)るくらいの警戒心で、猛暑を乗り切りますか。 2013年8月20日天声人語(OCN*朝日新聞デジタル) 天声人語 ▼人の生きる世界を「浮世」と言い「憂(う)き世」とも書く。調べると後者の方が言葉としては古いらしい。つかの間の盆休みが終わり、週明けから憂き世に戻った方もあろう。たとえばそれは、机上に残ったままの仕事の山であったりする ▼国内を見まわせば、この山も憂いが深い。国の借金の山がとうとう1千兆円の大台を超えたと、盆休みの前に財務省が発表した。1万円札で1千億枚は、積み上げれば富士山どころか、あの国際宇宙ステーションの25倍の天空に届く ▼1万円札の福沢諭吉が、「暗殺は別にして借金ぐらい怖いものはない」と自伝で述べているのは皮肉なことだ。先進国で最悪という体たらくに大先達はご立腹だろう。しかも抜け出す道が覚束(おぼつか)ない ▼来春に消費税を上げても、赤字を減らす第一歩にすぎない。自民党税調会長の野田毅氏が「いまある制度を前提にしていけば、消費税はあっという間に25%までいきますよ」と文芸春秋9月号で述べている。社会保障費など歳出の絞り込みは待ったなしだ ▼まさに憂き世、歴代政権の責任は大きいがツケを子や孫に回したくはない。この秋は、消費増税に踏み切るか、見送るかの決断が政治のヤマになる。政権保身の算盤(そろばん)をはじいての先延ばしは、なしに願いたい ▼イソップに照らせば、日本人は自らをアリのように思っていたのに、気がつけば国全体でキリギリス化していた。そんな印象だろうか。刹那(せつな)的でない長い目が必要な時だと思う。政策にも、むろん経済にも。
by nk2336nk
| 2013-08-20 07:19
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